管理職になって分かった3つのこと
私は、とにかく昇進したくありませんでした。
女性の上司が重い責任を背負い、時には幹部職員と中間管理職の板挟みになって、両方から叱られ、憔悴している姿を見るたびに、「あんな目にはあいたくない」と思っていました。
また、関係団体の人たちに対して、組織としての立場をはっきり示さなければならず、そのことで厳しく意見をぶつけられる場面もありました。
そんな姿を見ているうちに、私はますます「自分には絶対に無理だ」と思うようになりました。
人をまとめる自信もない。強く意見を言えるタイプでもない。責任を背負うことも怖い。
だから、管理職になることには、できるだけ近づきたくないと思っていたのです。
しかし、年齢や職位が上がるにつれて、いよいよ私も管理職になりました。
ところが、実際になってみると、見える風景は少し違っていました。
一人ですべてを背負うわけではなかった
管理職になる前の私は、「最後は自分がすべての責任を引き受けなければならない」と思っていました。
けれど実際には、自分の後ろには上司がいて、そのさらに後ろには組織があります。
判断に迷ったときは相談できますし、一人では対応できないことも、組織として考え、対応する仕組みがありました。
もちろん、管理職として自分で判断しなければならない場面はあります。
それでも、「何もかも一人で背負うわけではない」と分かったことは、私にとって大きな安心でした。
管理職になる前は、管理職という立場をとても孤独なものだと思っていました。でも実際には、相談することも仕事の一つなのだと分かりました。
困ったときに助けを求めることは、弱さではありません。むしろ、組織の中で働く以上、一人で抱え込まないことも大切なのだと思うようになりました。
意外にも、管理職の仕事が自分に合っていた
そしてもう一つ意外だったのは、管理職の仕事が、思っていたよりも自分に合っていたことです。
管理職になってからは、自分自身の担当業務に加えて、グループのリーダーとしてメンバーの仕事や進捗を確認したり、職員の給与や処遇に関する事務を行ったり、人事面でのフォローをしたりするようになりました。
こうした仕事をしていくうちに、「困っている人を支えたい」「みんなが少しでも働きやすい職場にしたい」という自分の気持ちが、思っていた以上に管理職の仕事と相性がよいことに気づきました。
私は、ぐいぐい人を引っ張っていくタイプではありません。
声が大きいわけでもありませんし、強いリーダーシップを発揮して先頭に立つタイプでもありません。
でも、誰かが困っていないかを気にかけたり、必要なときに支えたり、働きやすい環境を整えたりすることなら、自分にもできる。
人を守ったり支えたりしたい、いわば「擁護者気質」のようなものが、自分にはあるのだと思います。
そして、その性質は、意外にも管理職の仕事に向いていました。
「管理職は、人を力強く引っ張る人でなければならない」
私は以前、どこかでそう思い込んでいました。
でも実際には、管理職にもいろいろなタイプがあります。
支えるタイプの管理職がいてもいい。そう思えるようになったことは、私にとって大きな発見でした。
AIが壁打ち相手になってくれた
また私は、「自分には客観的な判断や、思い切った決断なんてできない」と思っていました。
そんな私を支えてくれたのが、AIです。
個人情報の取り扱いには十分気をつけながら、「こういう場合、中立的に考えるには、どこを大切にすればいいのか」「見落としている視点はないか」と、職場で使用しているAIに相談することがあります。
すると、論点や考えるべきポイントを分かりやすく整理してくれます。
もちろん、最終的に判断するのは自分です。
でも、一人で考えていると、どうしても自分の考え方に偏ったり、感情が入りすぎたりすることがあります。
そんなときに、AIに別の視点を出してもらうと、「そういう見方もあるのか」と気づくことができます。
AIが判断を代わりにしてくれるわけではありません。
けれど、自分の考えを整理するための壁打ち相手として使えることは、今の私にとって本当に心強い存在です。
管理職になることを恐れていた自分に、今なら伝えたいこと
今となっては、管理職になることをあれほど恐れていた自分に、
「自信をもって前に進んで。管理職になっても、周りのサポートはあるし、見える景色も少しずつ変わってくる。きっと、なんとかなるよ」
と伝えたいです。
でも同時に、管理職になることを怖がっていた時間も、決して無駄ではなかったと思っています。
その間に、私はいろいろな管理職をじっくり見ることができました。
人をぐいぐい引っ張る人もいれば、静かに支える人もいる。判断が速い人もいれば、周囲の意見をよく聞きながら進める人もいる。
そうやって、「管理職にもいろいろなタイプがある」と知ることができたのは、今思えば大切な準備運動だったのだと思います。
管理職になる前から、自信満々である必要はありません。
不安を抱えながらでも、人を見て、考えて、少しずつ準備していけばいい。
私は今、そう思っています。
昇進することに不安を感じている方へ。以前、「昇進が不安な女性へ。自信がなくてもリーダーになれる5つのポイントは」という記事にも、当時の気持ちを書いています。

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