自信のなさが強みになる?リーダーシップの新常識

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40代中盤に差し掛かり、昇進の打診を受けたものの、自信のなさから断ってしまった――そんな経験はありませんか?私自身もまさにその一人でした。しかし、「なぜ自信がない人ほど、いいリーダーになれるのか(小早川優子著)」を読んで、自分の考え方が大きく変わりました。本書は、「自信がない」という特性が、実は現代に求められるリーダーシップにおいて大きな強みになり得ることを教えてくれます。今回は、本書の内容と私の感想を交えながら、「自信のなさ」を活用するヒントをご紹介します。


リーダーシップには複数のパターンがある

 本書を読んで最初に気づかされたのは、「リーダーの型は一つではない」ということです。これまで私は、リーダーは強い意志を持ち、力強く部下を引っ張っていく存在だと考えていました。しかし、小早川さんは、リーダーシップは一つの形にとどまらず、部下や状況に応じて複数のパターンがあると指摘しています。

 特に、現代の産業構造が製造業からサービス業へとシフトしたことで、「相手の意見を聞き、調整しながら進めるリーダーシップ」が求められる場面が増えています。この新しい時代において、いわゆる「強いリーダー像」にこだわる必要はないのです。むしろ、自信がない人の特徴である「内省力」や「周囲への気配り」が大きな強みになるのです。

「自信がない」は周囲からの信頼を得る強味に

 本書では、自信がない人が持つプラスの要素についても詳しく触れています。「自信がない」という感覚は、一見ネガティブに思えるかもしれませんが、それによって生まれる内省力や謙虚さは、周囲からの信頼を得る大きな強みです。

 自信過剰なリーダーがリスクを見過ごす一方で、自信がないリーダーは慎重に物事を進めるため、失敗のリスクを減らせます。また、部下や関係者に気を配る能力が高く、周囲との調和を重んじる姿勢が結果的にチームを強くするのです。本書をとおして自信がない人のリーダーシップのメリットについて学びました。

本書76ページから
「自信がない」という思い込みを捨てることは、あなたのキャリアのためだけではなく、期待して育ててくれる上司や会社のためであり、あなたが生きている社会のためでもあります。そして次世代、あなたの子どもたちが成長したときのため、でもあります。なので「自信がない」と感じたとしても、それは単なる思い込みということにして、チャレンジングな仕事をする。できるかどうか自信はなくても経験の幅を増やすために管理職になってみる、などの選択をしてみてください。

双方が納得できる「Win-Win」の交渉術とは

 リーダーシップを発揮する場面では、交渉が不可欠です。本書では、交渉術についても具体的に解説されています。以前の私は、交渉とは「こちらの要求を押し通すこと」だと思っていました。しかし、著者はこの「Win-Lose」の交渉術は短期的には成果を上げるように見えても、長期的には信頼関係を壊しマイナスに働く危険性があると指摘します。

 本書で紹介されているのは、双方が納得できる「Win-Win」の交渉術です。これにより、相手との信頼関係を築き、長期的な成功を得ることが可能になります。このスキルは、職場だけでなく、家族や友人との関係にも活用できる汎用性の高いものです。

本書284ページから
このWin-Win交渉を知り、日々の仕事や生活の場で、繰り返し実践することを続けていけば、自信がない人でも安心して、リーダーの仕事に臨めるようになるはずです。


まとめ

 「なぜ自信がない人ほど、いいリーダーになれるのか」を読んで、自分のリーダーシップ像が根本から変わりました。自信のなさは決して弱点ではなく、時代に合ったリーダーシップを発揮するための強みになるという視点を得られたからです。

 また、リーダーシップの核となる「様々なリーダースタイル」「リーダーの仕事とは」「Win-Winの交渉術」について学ぶことで、自分に足りない部分を補うヒントを見つけることができました。

 もし今、自信のなさから昇進やリーダー業務に不安を感じている方がいたら、ぜひ本書を手に取ってみてください。新しい自分の可能性に気づくきっかけになるはずです。そして、自信がないからこそできるリーダーシップを一緒に目指していきましょう。

本書について

【タイトル】「なぜ自信がない人ほど、いいリーダーになれるのか
【ページ数】295ページ
【著者】小早川 優子
【発行】日経BP
【定価】本体1500円+消費税

目次

 第1章 なぜ自信がない人ほど、いいリーダーになれるのか

 第2章 私らしいリーダースタイルを見つける

 第3章 リーダーの仕事を正しく理解する

 第4章 人生を変えるWin-Win交渉術

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